自室から

徒然に

211015_指がほどけたら

恋人と別れた。

理由は

①「あなたは仕事が忙しくて、結婚しても私が一人で子育てとか家のことをするようになるんだろうなあ。これからも今より忙しくなると思うし、そうなると寂しくなったり虚無感に苛まれたりしそう。家族を大切にしようとしているのは伝わってくるけれど、やっぱり忙しくて時間がない人は家族を大切にできないと思う」

②「いつも手を繋いでくれていたのに、この前会った時は手を繋いでくれなかった。私たちが会える時間は短いのに、その程度の気持ちなんだなって不安になってしまった」

と言われたのが主な理由だ。

 

①を言われた時、とても悲しくなった。ずっと立派な人になりたくて、誰かを守れる人になりたくて、そのために高校大学社会人と勉強、研究、仕事を必死に頑張り続けてきた。色々なものを捨てて進んできたのに、その結果、それが仇となって否定されることになるとは思わなかったからだ。毎日、恋人と会ったり、楽しませたりするためにも仕事を頑張ろうと思えていた。それなのに、それを言われて以降、働いていても自分が何をしているのかよく分からなくなり、空しいまま働くようになってしまった。

それでも相手に寄り添おうとした場合、僕はどんな行動がとれたのだろう。

転職する?しかし、それではもし今より労働環境が悪くなったらどうする?そもそもそんな不安定な働き方では、それこそ家族を守る余裕がなくなってしまうかもしれない。

仕事を減らすように働く?しかし、それでは周囲の期待、信頼に全力でこたえようとしてきたこれまでの自分の生き方に反する。誰か一人のために、他の人からの信頼を犠牲にする。それは間違っているのではないかと思う。相手がこれまで築き上げてきた周囲からの信頼、努力を奪ってまで、自分に尽くしてもらって、それで愛を感じる、そんな愛は僕は間違っていると思う。

 

②手を繋ぐという行為だけが愛情の度合いを示すわけでもないと思う。愛情は細かな部分に現れる。そういうところを汲み取って貰えなかったのはひどく悲しい。一度だけ繋がなかったら、それでもう駄目だという判断を下されたことも寂しくなる。

「向上心のないものは馬鹿だ」というKのセリフがあるが、向上心というものがない人間は変わろうとしないということ。初めから変わろうとしないということは、人は変わることができないと考えているということ。だとすると、他者の失敗に対しては、向上心がある人の方が寛大であると言えよう。

 

書いていたら、なんだか理論武装してばかりの自分が嫌になってきた。こうやって、自分を理屈で正当化してしまうから、僕は一人なのだ。